はじめに
受験勉強や資格勉強においてスキマ時間の活用は非常に重要です。特に部活で忙しい学生や仕事で忙しい社会人はトイレや風呂、食事などのわずかな時間でも無駄にはできません。こういったわずかな時間でも、一日分を総合するとかなりの時間になります。
一概にスキマ時間といっても、トイレ、風呂、食事など状況がさまざまであるため、取り組める勉強にも制約があります。本記事は具体的なスキマ時間をいくつか取り上げて、それぞれに対して最適な勉強方法を提案します。はじめにスキマ時間の勉強が与える副次的な効果についても解説しますので、スキマ時間の重要性をいまいちつかめない人は次の章だけでも読んでいただければ幸いです。
また本記事の内容は、私が宅浪で京大受験をした際に、安定して毎日12時間以上の勉強時間を確保していた経験をもとに執筆しました。
想定読者
・実際にスキマ時間を活用して勉強したい人
・生徒にスキマ時間の重要性を理解してもらいたい塾や学校の先生(記事前半)
スキマ時間活用のメリット&活用する意義
スキマ時間の活用は大きく分けて2つのメリットがあります。本章では以下の①、②を順に解説していきたいと思います。
①勉強時間の増加
②つねに気持ちを途切れさせない
①勉強時間の増加
そもそも一日のスキマ時間をすべて活用するとどのくらいの時間になるのか、把握していますか?一度自分の一日のスケジュールを細かく記録してみるとよくわかりますが、スキマ時間を合計するとかなりの時間になります。またスキマ時間での勉強は、適切に行うことでとても大きな成果をもたらしてくれます。
例えば、トイレの時間を活用して英単語を毎日10個覚えるとします。1日10個でも、一か月後には300個、半年後に1800語となり、スキマ時間だけで単語帳1周分の成果が得られます。詳細は後述しますが、きちんと復習のスパンを計算して計画することでより高い効果を得ることが期待できます。
一日のスケジュールは人それぞれであり、自分でも意識していないようなわずかな時間が勉強に活用できることがあります。よって一度自分の一日のスケジュールを書き出すなどして、スキマ時間を正確に把握してみることをおすすめします。
②集中を途切れさせない
スキマ時間がもたらす効果は勉強時間の増加のみではありません。スキマ時間も勉強を続けることにより、集中が途切れることを防いでくれます。勉強を一時中断して食事や風呂をはさむと集中が途切れ、勉強を再開するのが億劫になるという経験は誰しも一度はしたことがあるのではないでしょうか。
スキマ時間も休まずに勉強するというのはこのような集中力の途切れを防いでくれるメリットがあります。もちろん勉強に休息は欠かせませんが、1日に12時間程度勉強しようとなると休憩時間は最小限に抑えなければなりません。そのためには予期せず集中が切れることをさけ、計画的に休息をとる必要があります。
注意点
スキマ時間を活用すると、頭を休められる時間が減ってしまうため、休憩時間の確保を忘れないように注意しなければなりません。ノンストップで一日中集中し続けるのは不可能なので、どこかのタイミングで休憩をとらなければなりません。
風呂や食事の時間は実は適度な休憩時間になっており、その休憩時間までも勉強時間にあててしまうと一日の疲労の量が段違いです。
結論:方法まとめ
ケース別の勉強方法を紹介する前に、本章で何度も紹介するスキマ時間の勉強方法を先にまとめておきます。
単語帳
単語帳はわずかな時間でも勉強することができることと、片手でも学習可能な点から様々なスキマ時間で勉強することができる、汎用性の高い勉強方法となっています。本章では、トイレ、風呂、移動時間のスキマ時間勉強の章で触れています。
問題演習(難問)
問題演習は紙とペンが必要なので場所の制約が強いと思われがちです。しかしながら問題が難しい場合は、頭の中で考える時間が多く、その間は手を動かす必要がないため、案外どのような条件下でも行えるスキマ時間勉強です。本記事では、お風呂、食事、移動時間の章で触れています。
トイレ
トイレでの勉強は筆記用具が不要な暗記科目をおすすめします。何か作業をするのには不向きな環境ですので、頭の中で完結するような勉強方法が理想です。個人的におすすめしたいのは小テスト方式で、ドアに張り紙をするなどし、トイレに入る前or中でテストを行います。ただし、実施する小テストの量はトイレの時間に合わせて適切に調節する必要があります。欲張って分量を増やすと、面倒になるので苦痛に感じない程度にしておくことをおすすめします。具体的におすすめしたい勉強方法の例を以下に示します。
おすすめの方法:英単語20問テスト
トイレの中でも外でもよいですが、英単語テストは非常に効果的です。全問正解できるまでトイレに入らないなどのルールを決めておくとよいでしょう。個人的には、20問のうち10問を新たな範囲から出題し、残り10問を3日前のテストから再出題することをおすすめします。3日前と同じ内容を復習することで、より深い記憶の定着が期待できます。
お風呂
お風呂での勉強は暗記科目はもちろんのこと、数学や物理など、紙とペンが必要な科目でも可能です。トイレに比べてお風呂は長い時間滞在することが多く、ずっと暗記科目をやり続けるのも大変なので、個人的には紙とペンを使う科目をおすすめします。
お風呂の場合は、風呂ふたを机代わりにして勉強することができます。ただし、湿気があるので参考書を風呂内に持ち込むとしわしわになってしまいますので注意が必要です。また、風呂ふたは不安定なのできれいに書き込むことはできません。
おすすめの方法1:単語帳
単語帳をもちこんで勉強するだけです。単語帳がしわしわになるので注意が必要です。
おすすめの方法2:問題演習(難問)
前述の通り、参考書を持ち込むとふやけてしまうので問題文をルーズリーフに書き込んで持ち込むことをおすすめします。問題文を何問も書き写すのが面倒なのであれば、簡単に解けてしまう問題ではなく、解くのに時間のかかる難問を選択するとよいでしょう。
また、風呂ふたは不安定なので、ペンを使う時間を最小限にするための工夫として、方針決定などに時間がかかりそうな難問をチョイスすると勉強しやすいです。
食事
食事中は手を使えないため、問題演習はもちろんのこと、単語帳を開いて勉強することもできません。よって耳だけあれば学習できるリスニングの勉強や、あまりペンを動かさなくてもよい問題の演習をおすすめします。
問題演習でも、簡単な問題だと頻繁に手を動かす必要が出てくるので大変です。あくまでスキマ時間の勉強方法なので、食事に影響を与えない範囲内でないと本末転倒です。
おすすめの方法1:リスニング
一番おすすめなのがリスニングの勉強です。聞くだけなので食事中でも勉強しやすいです。
おすすめの方法2:問題演習(難問)
志望校の過去問や、問題演習の章末問題など、特に難しそうな部類の問題演習を行うことをおすすめします。難しい問題を選択する理由はペンを動かす時間を減らすためであり、難問であってもいろいろ書き出して考えなければならない問題は非推奨です。初見問題でどの程度ペンを動かす必要があるのか完全に見抜くのは難しいですが、パッと見て方針が思い浮かばないような問題を選択するとよいです。
ただし、解き進めてみたら手を動かす時間が思ったより長くて食事が中断されることもあるため、食事中の問題演習は難しいです。
移動時間
移動時間の勉強はスキマ時間の勉強の中でもとくに重要です。個人差はありますが、学生や社会人にとって通勤通学時間はかなりの時間になることが多いです。これを活用できるかどうかで、1、2年後の成果に大きな違いがでてきます。
通勤通学といっても、状況は人によって様々なのでケース別におすすめの勉強方法を紹介したいと思います。
自転車:独り言をしゃべる
正直いって、自転車通学の場合は勉強することをあきらめるべきだと思います。私自身、様々な方法を試してみましたが、ほとんどうまくいきませんでした。
両手がふさがっている上、イヤホンは着用不可です。運転に集中しなければならないのでぼーっとしてしまいがちな問題演習もダメです。
どうしても勉強をしたい場合は、独り言で勉強することをおすすめします。自分で自分に勉強を教えるつもりで、その日(または前日など)に勉強した内容を口に出して説明します。運転に集中するために、新たな内容をインプットするのではなく、アウトプットに限定したことで、私の場合はうまくいきました。
徒歩:リスニングor独り言
徒歩の場合はリスニングの勉強をするのが最も効果的です。自転車ほどではないですが、徒歩もかなり制約が厳しいので、リスニングが一番おすすめです。リスニング以外の勉強となると自転車と同じ、独り言勉強をおすすめします。
ヒマな時間
ヒマな時間に誰にもバレずに勉強する方法を知っておくと、様々なシーンで役に立ちます。例えば、授業中、仕事中の何もすることがない時間や、病院や役所の待ち時間などが上げられます。
具体的な勉強方法は状況によります。学校の授業中に勉強する方法は別記事で解説していますのでそちらをご覧ください。その他の場合に関しては、本記事で紹介した内容を応用させることができると思います。
さいごに
最後までご覧いただきありがとうございます。
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