【塾・家庭教師】生徒に勉強させるためにするべきこと9選

はじめに

一人の生徒に対する家庭教師の授業時間は、どれだけやっても1週間で10時間程度が限度ですが、大学受験対策として考えるならば、これだけで受験に合格するのは現実的に不可能です。よって家庭教師では、授業時間外の学習が非常に重要です。これは家庭教師に限った話ではなく、学校や塾の授業に対しても同じことが言えます。

本記事は筆者が3年間、家庭教師として培った経験をもとにまとめました。具体的には、どのようにして生徒の家庭学習の時間を増加させるかという課題に対して、筆者がこれまでに行ってきた様々な工夫の中で、特にうまくいった方法を詳細にお伝えしたいと思います。

本記事はざっくりと2部構成となっており、前半ではポジティブな手法、後半ではネガティブな手法を紹介します。中高生に対して教育する立場にあるすべての方にとって必ず役立つと思いますのでぜひ最後までご覧ください。

比較

本記事では生徒のモチベーションを引き出す手法として、ポジティブな手法とネガティブな手法に分けて解説します。具体的に紹介する前に、両者の特徴について比較しておきたいと思います。

効果の出やすさ:ネガティブ

生徒の勉強時間を増加させるためのポジティブな手法はすべて、モチベーションをいかにしてアップさせるかに帰着します。モチベーションをアップさせるというのは、生徒が自発的に勉強をしたいと思えるよう、導いてあげることです。

しかしながら他人が外から自発的な感情を引き出すのは容易ではありません。それに対して、ネガティブな手法は、外的要因により、強制的に動機付けするため、ポジティブな手法に比べると楽な手法になります。

効果の持続:ポジティブ

ポジティブなモチベーションは生徒の自発的な気持ちが原動力になるため、外的要因で強制する場合に比べて、継続力があります。対して、ネガティブな手法は長期間にわたって勉強を続ける際にモチベーションを与える方法として、不適切です。勉強を強制される状況下では、強制の強さに応じて相応のストレス・プレッシャーを感じます。程度の違いはあれど、ストレスがかかる状況で長期間、勉強を続けるのは困難です。

結論

どちらが良いというわけではなく、必要に応じて使い分けることが正しい考え方です。例えば、テスト勉強や簡単な資格試験など、短期的な目標に対してであれば、ネガティブな手法でモチベーションを引き出すのが手っ取り早いです。対して、大学受験や模試などの長期的な目標に対しては、ポジティブな手法でモチベーションを与え、勉強をさせられているのではなく、勉強をしたくてしているという状況を作り出すことが大切です。

ポジティブ:自発

生徒の勉強時間を増加させるためのポジティブな手法はすべて、モチベーションをいかにしてアップさせるかに帰着します。モチベーションをアップさせるというのは、生徒が自発的に勉強をしたいと思えるよう、導いてあげることです。自発的に勉強をするよう生徒に促すのは大変ですが、一度やる気になればそのやる気は長期間持続することが多いため、おすすめの方法です。

短期目標を与える

やるべきことが明確になるだけで、モチベーションは簡単にアップします。逆に、やるべきことが多すぎて何もやる気が起こらないということは誰しもが経験したことがあるのではないでしょうか。

長期目標にのみフォーカスして物事を考えていると、タスクが多すぎてやる気がなくなってしまいます。とはいえ長期目標を立てて、それにしたがって計画を立てることは非常に重要で、勉強は長期目標を軸にして進めなければなりません。

このような課題を解決するには、長期目標を細分化した短期目標を立て、長期目標を意識しなくてよい状況を作ることが大切です。細分化の手法としては、タスクに優先度、順序を適切に付与し、直近でやるべきことをリストアップするとよいです。こうすることで、必要なタスクの総量は変わりませんが、心理的な負担が軽くなります。

褒める

褒めてあげることでも、生徒のやる気は引き出せます。褒め方は様々ですが私の場合は、難しい問題が解けたときや、前回全く理解できていなかった内容を理解できたときなど、大きな成長を感じたときには必ず褒めるようにしています。

ただし、定期テストの点数が10点上がった、小テストが満点だった時など、小さな成長に関しては生徒に応じて褒めるべきかどうか判断する必要があります。褒められることで、慢心や実力の過信につながってしまうタイプの生徒もおり、そういった生徒に対して過剰にほめることは、かえってマイナスの結果を生んでしまいます。

小さな成功体験を積み重ねる

どれだけ小さくても、成功体験はやる気を引き出してくれる重要な要因です。成功体験による達成感や、次はもっと上を目指せるかもしれないという希望が、生徒のさらなる努力を促します。

わざわざ「小さな」成功体験と表現したのには理由があります。モチベーションをアップさせるという目的のもとであれば、短期間で達成可能な成功体験が望ましいです。つまり、ここでいう「小さな」とは短期間で達成可能という意味で用いています。

小さな成功体験といっても、具体例がないと分かりにくいと思いますので、いくつか紹介したいと思います。

一番簡単な例は、学校の定期テストです。学校によりますが、多くの場合の定期テストは出題範囲が限定されているので、短期間の対策で高得点を取得できるような場合が多いです。受験を目標として考えたときに、学校の定期テストは軽視されがちですが、点数がアップすれば案外、自己肯定感が上がってモチベーションもアップします。

外で勉強する

勉強は自宅ではなく、塾や学校の自習室、図書館、カフェなど、外ですることを強くおすすめします。自宅外で勉強することの最大のメリットは、気持ちの切り替えがしやすいということです。特に怠惰な性格の人は、自宅の作業環境では気持ちが切り替わらず、YoutubeやSNSを見てしまって勉強に身が入らないということがおこりやすいです。この気持ちの切り替えというのは「よし、切り替えるぞ」と思ってすぐに切り替えられるようなものではありません。自宅で集中できないのは、脳が自宅をリラックスする場所として認識しているからだと私は考えています。そのため、リラックスする自宅と勉強する場所を分けることが非常に大切です。一度自宅外で勉強をしてみるとわかると思いますが、物理的に場所が変わるだけで、不思議と気持ちが切り替わりやすくなります。私の大学ではテスト前になると、知り合いの多くが図書館に集まるため、図書館に行くと知り合いによく遭遇します。

コラム

自宅で勉強する方法。

勉強時間の記録

勉強時間の記録をとるというのは単なる自己満足ではなく、様々なメリットをもたらしてくれます。勉強時間の記録というのはつまるところ、勉強時間の可視化です。勉強時間が少なくても、多くてもそれを可視化することの意義はたくさんあります。

まず勉強時間が足りていない場合、自分が一日にどれくらい無駄にしているのかを知ることができます。また、同じ志望校のライバルたちが平均でどのくらい勉強しているのかを知ることができれば、自分の勉強量を相対的に評価することもできます。

一日単位ではなく、一週間、一カ月と長期スパンで総勉強時間を見ることも大切です。一日当たりの勉強時間の最大値がどれだけすごくてもコツコツと継続していなければ意味がありません。勉強時間を記録していない人は継続性の観点を無視しがちです。例えば一週間のうち4日、7時間勉強した場合と、毎日4時間勉強した場合で、総勉強時間は同じです。前者と後者のどちらの方があっているのかは人によりますが、一度に7時間も勉強することが耐え難い人は毎日4時間勉強するほうが圧倒的に良いはずです。

勉強時間が十分な場合にも、勉強時間の記録は重要です。勉強時間を可視化することで、自分が勉強した時間以外にも、自分が勉強していない時間も可視化することができます。勉強していない時間という視点から自分の生活を見ると、生活する上で意外に時間を浪費しているタイミングを知ることができます。いくつか例をあげると、食事、風呂、トイレの時間などがあります。このような時間をどのようにして有効活用するかということはこちらの記事で紹介していますのでぜひご覧ください。

✅スキマ時間で勉強する方法

合格可能性を意識させる

希望があるのとないのとではやる気が変わる

ネガティブ:強制

ネガティブな手法をとる場合は、勉強をしたいという自発的な気持ちではなく、勉強をしなければならないという気持ちを、プレッシャーによって強引に引き出します。その性質上、長続きはせず一時的な対策にすぎませんが、確実性が高いのがメリットです。

ペナルティーを与える

はじめに紹介するのは、あらかじめ決めておいた目標を達成できなかった場合に、何かしらのペナルティを与えるという方法です。この際目標は「客観的に見て」達成可能な目標とし、ペナルティは生徒にとって「嫌」なものでなくてはなりません。

目標は達成するために設定するものであり、達成できるかどうかを判断するのは、設定した課題の所要時間や現在の生徒のモチベーションを冷静に判断できる人でないと難しいです。

よって目標設定の際には、その目標が妥当かどうか、必ずチェックするようにしてください。

またペナルティも適切に設定しなければなりません。極端な例でいうと1カ月おやつ無し、1週間家事手伝いなど、長期的にパフォーマンスを下げ続けるようなペナルティは望ましくありません。理想は、昼ごはん一回分友達に奢るなどといった短期的なペナルティがよいです。

ライバルを見つける

誰かに負けたくないという気持ちはとても大きなもので、ライバルの存在はモチベーションに大きな影響を与えます。ライバルを見つけるには、学校や塾の友達が最も身近ですが、現代であればSNSで見つけることもできます。実際私が受験生の頃は、学校、塾、SNSのそれぞれに様々なレベルのライバルがいました。

第一志望との距離を実感する

第一志望の合格者の平均と自分の実力を比較して、どの程度離れているのかを実感することも非常に大切です。焦りや不安な気持ちから、受験が迫ってきているのになかなかやる気が出ない生徒は、合格者平均と自分のギャップを認識できていないことが多いです。そのような場合には、大学別の模試やハイレベルな模試を受けて、志望校が同じライバルたちとの実力の差がどの程度なのかを数字で見るのが手っ取り早いです。

さいごに

最後までご覧いただきましてありがとうございました。生徒のやる気を引き出すとい


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